大学入試 物理チートシート〜単振動のツボ〜

サトゥー

こんにちは、サトゥーです。

 

以前からリクエストがあった、単振動についてまとめてみます。

交流回路も基本的には単振動の分野なので、こちらも参考にどうぞ。

大学入試 物理チートシート〜交流回路を攻略する〜

 

前提として

 

単振動は「2体問題」同様、入試問題では難しめとされがちですが、慣れてしまえばやることは本当にワンパターンなのでしっかり理解しておきましょう。難しい問題になってくると、2物体の単振動を考えるものも出てきます。重心系の考え方を利用するとうまくいくことも多いので、「2体問題」についてもこの機会に復習しておいてください。

大学入試 物理チートシート〜2体問題を攻略。重心から見て考えよう〜

 

注意

基本的にしっかり理解している人を除いて、一回読んで100%理解するのは難しいと思います。

問題を解きながら、何回か見直してみてやっとしっかり理解できるようになります。頑張りましょう!

 

単振動(調和振動)とは何か

 

サトゥー

単振動って何なんでしょうね。

まずはここからはっきりさせていきましょうか。

 

単振動は振動の基本現象

単振動は調和振動ともいい、振動の基本的な現象であります。

高校物理では次のように習いますね。

 

高校物理で習う単振動

運動方程式

\displaystyle m \frac{d^2x}{dt^2} = - k x で表される現象

 

サトゥー

こんな感じの正弦波をみたことがあるかと思います。

 

実際に上の運動方程式(微分方程式)を解くと、正弦波が現れてきます。

ここについては、微分方程式を解くことは高校生に求められていませんので、現時点では「へぇ〜そうなるのか〜」程度の理解でいいです。

 

何故単振動を学ぶのか

先ほど、単振動は基本的な振動であると言いましたが、

一般的に全ての振動現象は単振動で近似できるか、単振動の合成として表現できます。(フーリエ変換とか、その辺の話ですね)このサイトとか参考になるかも

 

高校ではまず基本的な単振動から勉強しましょうねっていう話ですね。

てな訳で、高校で出てくる振動系の現象は基本的に全てが単振動になっています。

 

数式をいじって単振動を理解してみる

さて、数式をもう少し掘り下げてみましょう。数式をこねくり回して、性質を色々明らかにしていきましょうか。

先ほど運動方程式を書きましたが、単振動の定義は次のようになります。

 

単振動の定義

物理量 \displaystyle x_{(t)} が次の数式で表される振動現象をすること。

 

x_{(t)}-x_c\\ = A\sin{(\omega t+\alpha)}\\ =A\cos{(\omega t+\beta)}\\ =B\cos{\omega t}+C\sin{\omega t}

 

t は時間で、A,B,C は定数です。

 

サトゥー

ここから式をちょっといじります

このとき、式 x_{(t)}-x_c = A\sin{(\omega t+\alpha)} の両辺を時間で微分すれば、

\displaystyle \frac{dx}{dt} = \omega A \cos{(\omega t + \alpha)}

もう一度微分して、

\displaystyle \frac{d^2x}{dt^2} = -{\omega}^2 A \sin{(\omega t + \alpha)}

ここで、この式の右辺に着目すれば、A \sin{(\omega t + \alpha)} の部分は x_{(t)}-x_c とかけるので、結局、

\displaystyle \frac{d^2x}{dt^2} = - {\omega}^2 (x_{(t)}-x_c)

が成立することがわかります。これも有名な式ですね。

 

で、この式が成り立つとき、この微分方程式を解くと、解として

x_{(t)}-x_c = A\sin{(\omega t+\alpha)}

が得られることも解けばわかりますから、

 

結局、次の性質が成り立つわけです。

単振動について一つの結論

\displaystyle \frac{d^2x}{dt^2} = - {\omega}^2 (x_{(t)}-x_c) \Leftrightarrow \displaystyle  x_{(t)}-x_c = B\cos{\omega t}+C\sin{\omega t}

 

B,C は初期条件で決まる任意定数

 

単振動に関わる様々な物理量

単振動の性質を図解するとこんな感じ。

振幅は英語でAmplitudeなので、ここでは \displaystyle Am と表記します。

 

それぞれの物理量と、初期条件に依存するかどうかを整理する

初期条件で決まるのは B,C ですから、

振幅 Am=\sqrt{B^2+C^2}=|a| は、初期条件で決まることが分かります。

一方、振動中心 x_c は、初期条件によらないことが分かります。

 

 

サトゥー

単振動に関わる他の重要な物理量についても見てみましょう。

 

角振動数、振動数、周期

単振動の振動の早さを表す物理量として、角振動数、振動数、周期という物理量があります。

角振動数は通常 \omega で表します。このページでも当たり前のように使ってしまっています。

円運動における角速度と同じです。角速度と言ったほうが、もしかするとイメージしやすいかもしれませんね。

 

振動数は \displaystyle f=\frac{\omega}{2\pi} であり、

周期は \displaystyle T=\frac{2\pi}{\omega}=\frac{1}{f} です。

これらの物理量も、初期条件とは関係なく、初期条件によらない量であることがわかります。

 

以上を簡単にまとめておきます。

初期条件によらないというのはつまり、振動を開始する位置などを変化させても変化しないということです。

よく問題のネタになります。

 

 

さらに深く、数式的にアプローチしてみる

サトゥー

ここで、具体的に初期条件を当てはめて、定数B,Cの値を求めてみましょう。

 

初期条件が \displaystyle t=t_0\displaystyle \frac{dx}{dt}=v_0, x=x_0 とします。

このとき、次のように \displaystyle B,C を決定していきます。

\displaystyle x_{(t)}-x_c = B\cos{\omega (t-t_0)}+C\sin{\omega (t-t_0)}

とおけ、これより両辺を時間微分して

\displaystyle \frac{dx}{dt} = - B \omega \sin{\omega (t - t_0)} + C \omega \cos{\omega (t - t_0)}

となります。

 

これに初期条件を代入して \displaystyle B,C を求めると、

\displaystyle B=x_0-x_c , C=\frac{v_0}{\omega}

が得られます。

 

単振動について一つの結論

\displaystyle \frac{dx^2}{dt^2} = - {\omega}^2 (x_{(t)}-x_c) \Leftrightarrow \displaystyle  x_{(t)}-x_c = (x_0-x_c)\cos{\omega t}+\frac{v_0}{\omega}\sin{\omega t}

 

また、次の結果が得られます。

重要な結論

\displaystyle {Am}^2={(x_0-x_c)}^2 + {(\frac{v_0}{\omega})}^2

 

さてさて、ここまでは仮の初期条件として \displaystyle x_0 , v_0 をおいてきましたが、実際にこの議論は位置、速度に依らず同じように議論できるので、結局次のようになります。

 

重要な結論・改

\displaystyle {Am}^2={(x-x_c)}^2 + {(\frac{v}{\omega})}^2

 

簡単に言ってしまえば、振幅が保存するということです。そして、その振幅は上の式で結構簡単に表せてしまうということ。

 

単振動では、この式がキーになってきます。

何故なら、問題を解くときには振幅を理解しておいた方が、大抵の場合は計算が楽だから。

この式を使えば、ほぼ一瞬で振幅が出せて、そこから図形的なアプローチもできます。

 

エネルギー保存の式と事実上同じことを言っているので、どちらを使うかはお任せしますが、僕の経験上この式使った方が圧倒的に速いです。

 

まとめ

さて、実はこの程度をしっかりさらっておけば、単振動の基本事項は終わりなんです。

簡単にここまでやってきたことを整理しておきますと、

ここまでまとめ
  • 振幅は初期条件で決定され、振動中心や角振動数は初期条件に依らない
  • 振幅が保存している。この式から問題でネタにされがちな物理量が簡単に出せる

\displaystyle \frac{dx^2}{dt^2} = - {\omega}^2 (x_{(t)}-x_c) \Leftrightarrow \displaystyle  x_{(t)}-x_c = (x-x_c)\cos{\omega t}+\frac{v}{\omega}\sin{\omega t}

\displaystyle {Am}^2={(x-x_c)}^2 + {(\frac{v}{\omega})}^2

 

 

問題を解きながら理解を深めてみる

とはいえ、数式だらけで何言ってるかよく分からない人もいると思いますので、問題をいくつか扱うことで、実際に知識をどう運用していくか確認してみましょう。

サトゥー

とは言っても、僕の手元にある問題は模試の過去問がほとんどで、著作権の問題でお見せできないので…なんとか確認に使えそうなものを探してみました。

 

問題(2005阪大)

サトゥー

さてさて、今回私が重要と言った式が出てくるのは問5あたりでしょうかね。

答えも下に貼っておくので、ぜひ解いてみてくださいね。

 

答え

 

星をつけた赤いところに使用していますね。

 

これを使わないと、面倒なエネルギー保存の2次方程式を解かなくてはならないのですが、この結果を利用すれば整理された状態で立式できるので、計算ミスが間違いなく減ります。

 

 

いかがでしたでしょうか。皆さんも是非、こちらの記事の内容をしっかり理解して、物理をエンジョイしてみてください。

 

サトゥー

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サトゥー

よかったら是非、記事のシェアや感想をお願いいたします。生きる糧になります。

それではまた。

4 Comments

サトゥー サトゥー

匿名さま

まぁ基本的には正弦波として扱う方が多いでしょうから、前者の方が便利だと思いますが、この記事のように振幅の式が利用できたりなど、後者の式の見方が役に立たないかというとそういうワケではありません。(あ、BとCにはせっかく求めたから値代入してね)
どんなものもケースバイケースなので、色々試してみてほしいです。

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サトゥー サトゥー

オカダさま

コメントありがとうございます。おそらく初期条件を定めたところあたりの話でしょうか(使っている記号が違うため、話を勘違いしていましたら申し訳ございません)
ここでは初期条件を決めて微分方程式を解いた時の解として、
x-xc=Bcosw(t-t0)+Csinw(t-t0)が得られるという話であって、これがそのままBcosxt+Csinwtとなるわけではありません。もちろんt0が入っている式を加法定理でバラした後に改めてBcoswt+Csinwtという形になるように定数を定義しなおせば、同等な式となりますが。

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