重心から見て考えよう【2体問題】【大学入試】

サトゥー

こんにちは、理系東大生ブロガーのサトゥーです。

入試問題とか見てて本当に思うんですが、

サトゥー

「2体問題」ってしっかり対策しておくべきだよなぁって

 

重心系で議論できるように訓練しておかないと、

本当に差がついてしまうなぁって思うんです。

 

 

 

てことで、僕なりに「2体問題」と呼ばれる分野について、大学入試の物理で使えそうなものをまとめておきます。

授業とかでしっかり習っている人はいいんだけど、
僕なんかはまともに習ってないから。高校時代に知っておきたかったよなぁと思うんです。(苑田に教わった)

 

知っているだけでその辺の入試問題はだいたい瞬殺できるようになるのでぜひ習得してみてください。

2体問題とは?

「2体問題」ってそもそもなんなんだよ

という方も一定数いると思いますので、まずは「2体問題とはなんぞや」に答えて行きます。

まぁ文字通り、2つの物体の運動を考える問題だと思ってくれればいいのかなぁと思っています。

例えばこんなやつ。

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なんか2つのものが動くから、よくわかんなくなりがちだよね。

わかっても、計算がだるかったりとか、

とにかく苦手意識を持っている人が少なくない分野です。

 

こういった問題が一瞬で解けるようになります。

 

ということで、「2体問題」がどういった問題なのかについてはある程度理解できたでしょうかね。

ここから、まずは一般的な議論をして、そこから実際の入試問題で「どのように問題を解いていくのか」を見ていきたいと思います。

一般論

まず先に、2体問題の結論から言ってしまうと、

結論

2体問題は、個々の粒子の運動の代わりに

「重心運動」と「相対運動」に分離して考えることで、

簡単に議論できる!

図のような状況を考えます。

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2つの物体1,2があって、

物体1の質量はm_1、物体2の質量はm_2で、それぞれの位置は\vec{r_1}, \vec{r_2}とします。

また、物体1が系の外部から受ける合力を\vec{F_1}、物体1が物体2から受ける力を\vec{F_{12}}とします。物体2についても同様に力を定めます。

図に書いてあるように、\vec{F_1},\vec{F_2}は2物体系の外部から系内部の物体に働く外力であり、\vec{F_{12}},\vec{F_{21}}は内部の物体が互いに力を及ぼしあう内力であります。

さて、この時、作用反作用の法則から、次の関係式が成り立ちます。

\vec{F_{12}}=-\vec{F_{21}}

さて、この時、物体1と物体2の運動方程式はそれぞれ、

運動方程式

m_1 \frac{d^2\vec{r_1}}{dt^2} = \vec{F_1}+\vec{F_{12}} \qquad(1)

 

m_2 \frac{d^2\vec{r_2}}{dt^2} = \vec{F_2}+\vec{F_{21}} \qquad(2)

 

となりますね。

みなさんがもし2体問題を知らないなら、普段の問題演習でも、

この通りに式を立てて、変形して解いているわけですね。

 

でも、この連立方程式は、2体問題の場合に限って、うまーく変数分離できて綺麗な形になるんですね。

 

今からそれをやるんですが、

イメージとしては、画像の感じです。

 

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うざったい式変形を問題を解くたびにしなくて済む(矢印が短くなってる)ワケですね。

 

さて、ではこの連立方程式を解いていきましょう。

変形する上で、次のようなものを導入します。

導入したい概念

重心:\vec{r_G}=\frac{m_1\vec{r_1}+m_2\vec{r_2}}{m_1+m_2}

相対位置:\vec{r_r}=\vec{r_1}-\vec{r_2}

特別な概念ではないので、ここでつまずくことはないと思います。

相対位置というのは、いわゆる「物体2から見た物体1の位置」ですね。

重心運動方程式から重心の運動がわかる!

さて、(1)+(2)を計算すると、内力は作用反作用で消えるので、

m_1 \frac{d^2\vec{r_1}}{dt^2}+m_2 \frac{d^2\vec{r_2}}{dt^2}=\vec{F_1}+\vec{F_2}

 

つまり、左辺に重心の概念を適用すれば、

(m_1+m_2)\frac{d^2\vec{r_G}}{dt^2}=\vec{F_1}+\vec{F_2} \qquad(A)

 

となります。

これを重心運動方程式と言います。

 

重心運動方程式からは系の重心の時間変化が分かるわけです。

(A)から、重心の運動は外力によってのみ引き起こされるということがわかりますね。

つまり、

重要

外力なし\Leftrightarrow重心速度一定

がわかります。

 

相対運動方程式から相対運動がわかる!

さて、2物体の運動について、

重心運動方程式から重心の振る舞いがわかることが判明しました。

 

 

では、重心運動を除いた運動はどうなるのでしょうか?

そこで、\frac{(1)}{m_1}-\frac{(2)}{m_2}を計算します。

すると、ここでも作用反作用を利用して、

\frac{d^2\vec{r}_{1}}{dt^2}-\frac{d^2\vec{r}_{2}}{dt^2}=(\frac{1}{m_1}+\frac{1}{m_2})\vec{F_{12}}+\frac{\vec{F_1}}{m_1}-\frac{\vec{F_2}}{m_2}

となり、

相対位置を用いて

運動方程式っぽく書き直すと、

 

\frac{m_1m_2}{m_1+m_2}\frac{d^2\vec{r_r}}{dt^2} = \vec{F_{12}}+\frac{m_2}{m_1+m_2}\vec{F_1}-\frac{m_1}{m_1+m_2}\vec{F_2} \qquad(B)

とかけます。

(B)を、相対運動方程式と呼びます。

また、この運動方程式の質量にあたる部分は、

換算質量\:\:\mu=\frac{m_1m_2}{m_1+m_2}

と言います。

相対運動方程式(B)より、相対位置\vec{r_r}は、 内力に依存することがわかり、
系内部の相互作用が相対運動に影響することが分かります。

 

(1)かつ(2)\Leftrightarrow(A)かつ(B)

ですから、

 

重心運動方程式(A)と、相対運動方程式(B)を解くことは、

元々の運動方程式を解くことと同値であるわけですね。

 

ここまでのポイントまとめ

2体問題は、元々の運動方程式を立てて解くよりも、

一般的な場合でもっと簡単に変形した「重心と相対に分けた形」で

運動方程式を立てた方が楽!

 

とりあえず、ここまで流れだけさらって、

ふむふむ、2体運動は「重心運動」と「相対運動」に分ければうまくいくのだな

と思っておいてください。

 

相対運動についてもう少し考えてみると

さて、ここで次の図をご覧下さい。

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これは、最初の図に\vec{r_G}\vec{r_r}を加えたもので、

この図から、緑色の矢印、つまり重心から見た1と2の位置について、

\vec{r_{1G}}=\vec{r_1}-\vec{r_G}=\frac{m_2}{m_1+m_2}\vec{r_r}

\vec{r_{2G}}=\vec{r_2}-\vec{r_G}=-\frac{m_1}{m_1+m_2}\vec{r_r}

が成り立ちます。

このことから、相対運動というのは、

重心から見た各点の運動と本質的には同じものと考えることができます。

(その違いは実数倍しかない!)

つまり、

相対運動の議論は、重心系での物体1,2の運動の議論と実質同じ

であり、

 

 

このことから2体問題について、

大きな議論の流れが次のようにまとめられます。

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画像のように、

2体問題の流れ
  1. 重心運動がわかる(重心運動方程式)
  2. 相対運動がわかる(相対運動方程式)
  3. 相対運動から重心系での各点の運動がわかる
  4. 重心運動と重心系での各点の運動から、各点の運動がわかる

となります。

 

重心系での運動について

また、重心系での各点の運動について、

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こちらの画像から、

\vec{r_{1G}}=\vec{r_1}-\vec{r_G}=\frac{m_2}{m_1+m_2}\vec{r_r}

\vec{r_{2G}}=\vec{r_2}-\vec{r_G}=-\frac{m_1}{m_1+m_2}\vec{r_r}

となることは先程確認しましたが、

このことから、

重要

重心から見た物体1,2は常に

正反対側、質量の逆比の位置にあり、

反対向き、質量の逆比の大きさの変位・速度・加速度で動く

ことが言えます!

これ使えるので覚えといてください。

エネルギー計算

さて、それでは、

サトゥー

エネルギー計算も「重心」と「相対」に分けられるのではないか?

ということで、考えてみましょう。

さて、今、2物体の系の運動エネルギーの総和Kは、各点の運動エネルギーの和で表されますから、

K \\

=\frac{1}{2}m_1{v_1}^2+\frac{1}{2}m_2{v_2}^2 \\

= \frac{1}{2}m_1|\vec{v_G}+\vec{v_{1G}}|^2+\frac{1}{2}m_2|\vec{v_G}+\vec{v_{2G}}|^2 \\

=\frac{1}{2}(m_1+m_2){v_G}^2+(\frac{1}{2}m_1{v_{1G}}^2+\frac{1}{2}m_2{v_{2G}}^2)+\vec{v_G} \cdot (m_1\vec{v_{1G}}+m_2\vec{v_{2G}})

となります。

このうち、第1項は

重心運動エネルギー:\:\:K_G=\frac{1}{2}(m_1+m_2){v_G}^2

とおけ、

第3項については

(m_1\vec{v_{1G}}+m_2\vec{v_{2G}})=\vec{0}

が成り立ちます。

第2項について、

\frac{1}{2}m_1{v_{1G}}^2+\frac{1}{2}m_2{v_{2G}}^2 \\ \\ =\frac{1}{2}m_1|\frac{m_2}{m_1+m_2}\vec{v_r}|^2+\frac{1}{2}m_2|\frac{m_1}{m_1+m_2}\vec{v_r}|^2 \\ \\ =\frac{1}{2}\frac{m_1m_2}{m_1+m_2}{v_r}^2 \\ \\ =\frac{1}{2}\mu{v_r}^2

 

が成り立ち、

これを相対運動エネルギーといいます。

以上より、エネルギーについても、

重心運動と相対運動に分割して考えることができると分かりました。

K=K_G+K_r

K_G=\frac{1}{2}(m_1+m_2){v_G}^2

K_r=\frac{1}{2}\mu{v_r}^2

実際に問題を解いてみよう

さて、ここまで一通り基本的な話は触れたので、

次は問題をどうやって解くのかについての話を、

実際の入試問題に触れながら確認していきましょう。

 

手元に問題集とか一切無いので、今年の問題から2つとってきました。

2018 北大

今回の話題に関連するところだけ話しますので、

問題は必要なところだけ載せます。

こちらの問題は、問2の(4)~(7)まで。

問題

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さて、いかがでしょうか?

(4)で出した、

MV+mv=0

および、(5)で出した、

\frac{1}{2}MV^2+\frac{1}{2}mv^2=\frac{1}{2}kd^2

を、普通に連立して解くのも確かにアリですが、

今の話を理解された方なら、

もっと簡単に解けることがわかると思います。

こんな感じ。

 答え(案)

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はい、次。

2018 東大

今年の東大の問題ですね。

東大は2体問題の問題が多いので、東大受験生は2体問題に習熟しているかで物理のクオリティに差が出やすいと思います。ホントに。

ちょっと問題が長いですが、せっかくですから全部やってみてください。

25分で出来れば東大受かります。

問題

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さて、こちらはいかがでしたでしょうか。

僕の答えも貼っときます。

今回お教えした知識を使った部分には緑の波線が引いてあります。

答え(案)

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この東大の問題は、2体問題だけを問われた問題というわけではありませんが、

2体問題の考え方を知っているか(つまり、重心系でものを見ることに習熟しているか)が大きな差になるのではないかと思います。

参考

最後に、今回2体問題の記事を書くにあたって参考にしたサイトです。

2体問題についてもっと知りたい方はぜひこちらもみてください。

2体問題 | 高校物理の備忘録

相対運動方程式の3つの解釈 – 科学のおもちゃ箱 @wiki – アットウィキ

二体問題1:重心運動と相対運動

〜東工大の入試問題〜 二体問題で力学を完全攻略!|塾講師ステーション情報局

2体問題が分かりません (物理の疑問Q&A〜大学受験物理を学ぶヒント)

さて、今日もポチッと頼むよ。


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