大学入試 数学チートシート〜ベクトルの基本事項まとめ〜

サトゥー

こんにちは、サトゥーと言います。

リクエストがあったので、今回はベクトルについて基本的な内容をおさらいしていこうかと思っています。

注意

\(s\) とか \(t\) とかの文字については、意味を察してください。だいたい実数です。多分。

ベクトルとは何か

簡単に言ってしまえば、ベクトルは「大きさ」「向き」の2つの情報をもつ量のことを言います。よく有向線分なんて呼ばれます。

僕たちが普段よく使う「りんご3個」とか「駅から10分」とかは基本的に「大きさ」の情報量しか持たず、これをベクトルと対比してスカラーと言います。

て解説しても、わかっている人にしか伝わらないと思うので、僕なりに頑張って解説してみます。

ベクトルは「向き」と「大きさ」をいっぺんに扱える

ベクトルは基本的に \(\vec{a}\) のように書き表しますが、例えば次のように定義してみましょう。

\(\vec{a}\) = 「北へ50m」

駅にいるAくんに対して、「駅から北へ50m」のところにあるカフェにきて欲しいとき、スカラー量を用いた指示だと「北へ」「50m」という2つの情報を別に伝えないといけないのですが、ベクトル量を用いると「 \(\vec{a}\) 」という1つの情報で済むわけですね。

このように、「向き」と「大きさ」をベクトルという概念を用いてまとめて扱うことで、色々なものを楽に扱おうというのがベクトルの気持ちです。

ベクトルのよさ

ベクトルは、「向き」と「大きさ」という2つの情報を1つの概念にまとめて考えることができてよい!

例ではあまりベクトルのありがたみがわからないかもしれませんが、物理とかになってくると差が出てきます。
簡単にいうと、ベクトルのまま微分などの計算処理ができ、考えるのが楽になるんですよね。

高校数学のベクトルは、ベクトル自体をまずは色々こねくり回して、ベクトルと仲良くなっておきましょうという内容になっています。
初めは基本的な足し算引き算の方法から(スカラー量と違って「向き」も考慮しないといけないので、単純に足し算引き算できないのよね)、そしてだんだん平面図形などの幾何学的な分野に応用していくことになります。

幾何の問題にベクトルを導入すると、計算ができるようになる

幾何学的分野にベクトルを導入すると何がいいかというと、幾何の問題を考えるのがグッと楽になります。

なぜかというと、幾何的な考えと計算的な考えの間を担うのが、そのどちらの要素も持っているベクトルだからです。センスやひらめきに頼らざるを得ない幾何と、ルールに従えば誰でもできる計算の分野の橋渡しになってくれるわけです。

ベクトルのよさ

ベクトルを使うと、幾何の分野に計算を持ち込める!つまり幾何の問題をセンスがなくても解けるようになってよい

本記事では受験レベルでの重要事項を網羅したいので、超基本的な計算処理については割愛します。調べれば出てくるはずなので、「ベクトル 解説」などでググってみてくださいね。

ベクトルは自然科学で超基本的な「ツール」

サトゥー

ベクトルってマジなんなん

という気持ちも分かります。人によってはベクトルのありがたみを理解できないまま高校卒業を迎えてしまう人もいるかもしれません。

そういう人のために一応自分のベクトルのイメージを述べておきます。

ベクトルは今後、それ自体を対象にすることはほとんど無くて、基本的には数理的な処理で使用する基本的なツールになります。例えば、大学に入って習う「線形代数」や「微積分学」では、ベクトルの概念を拡張したようなものである「行列」というものを扱っていきます。

ここではもはや、ベクトルという概念は足し算引き算のようなアタリマエのものになるので、新しい概念を理解するための補助として使われるようになります。

また、物理学ではベクトル量がわんさか出てきます。ベクトル量は簡単に色々な計算ができてしまうので、ベクトルを微分・積分したり、色々こねくり回して諸法則を導いてゆきます。

てな感じで、ベクトルは物事を考え、学ぶ上で超基本的なツールになります。

高校数学では、そのための準備として「基本的な数学的処理」を勉強することになります。(難しくなってくると純粋な数学の問題になってきますが)

重要なこと: まずは始点を揃えよう

ベクトルの分野で重要になってくるのが、「始点を揃える」ということ。
基本的なことですが、非常に重要ですので強調しておきます。

足し算や引き算などの計算処理をしていくうえで、始点を揃えることはまず最初に必要なステップになります。

問題を解く上でも、計算処理をしてベクトルの式をこねくり回していくことが重要になってくる場合が多いですから、「始点を揃える」ということは強く意識しておいてください。

ポイント

まずは始点を揃えろよ!何よりも大事だぞ!

日本語とベクトル語を自在に行き来する

問題を解く上では、日本語ベクトルを用いた表現に直したり、その逆をすることで、数式的な処理が初めて可能になります。

そこで、頻出で覚えておくべき表現を以下にまとめていきます。

日本語・ベクトル語翻訳辞典

日本語の表現をベクトル語に翻訳しているイメージだと思ってください。

平行

$$\vec{a} \parallel \vec{b} \Leftrightarrow \vec{a} = k \vec{b}$$

垂直

\(\vec{a} \perp \vec{b}\) ならば \(\vec{a} \cdot \vec{b} = 0\)

A, B, Cが同一直線上

\( \overrightarrow{AB} = t \overrightarrow{AC}\) もしくは \( \vec{c} = s \vec{a} + t \vec{b}  (s+t = 1)\)

A, B, C, Dが同一平面上

\(\overrightarrow{AD} = s \overrightarrow{AB} + t \overrightarrow{AC}\) もしくは \( \vec{d} = s \vec{a} + t \vec{b} + u \vec{c}  (s+t+u = 1)\)

平行四辺形

平行四辺形 \( ABCD \Leftrightarrow \overrightarrow{AB} = \overrightarrow{DC}\)

重心G

\(G\) は三角形 \(ABC\) の重心\( \Leftrightarrow \vec{g} = \frac{\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}}{3} \)

交点P

直線 \(AB,CD\) の交点 \(P \Leftrightarrow P\) は \(AB\) 上の点かつ \(CD\) 上の点

あるベクトルに垂直な直線

\(\vec{a}\) を通り \(\vec{n}\) に垂直な直線 \( \displaystyle \Leftrightarrow (\vec{p} – \vec{a}) \cdot \vec{n} = 0\)

ちなみにこの \(\vec{n}\) のようなベクトルを法線ベクトルと言います。

角の二等分線

\(\vec{p} = k ( \frac{ \vec{a} }{| \vec{a} |} + \frac{ \vec{b} }{| \vec{b} |} )\) もしくは 角の二等分線の幾何学的性質を利用して立式

円周上の点

\(| \vec{p} – \vec{c} | = r\) もしくは \( ( \vec{p} – \vec{a} ) \cdot ( \vec{p} – \vec{b} ) = 0\)

練習!!

次のベクトルをこねくり回して、意味を解釈してみましょう。

ベクトル語を日本語に翻訳するイメージです。

$$ \vec{p} = \frac{2 \vec{a} + 3 \vec{b}}{10}$$

これを簡単に変形してみると、

$$ \vec{p} = \frac{1}{2} \frac{2 \vec{a} + 3 \vec{b}}{5}$$

となりますね。

ここから、\( \vec{p}\) は、点 \(\vec{a}\) と点 \(\vec{b}\) を3:2に内分する点を、原点を中心に \(\frac{1}{2}\) 倍したものであると翻訳することができますね。

という感じで、与えられたベクトルの式を、こねくり回して自分が翻訳できる形にする。これがベクトルの基本的な考え方になります。

もう1問。

\( \vec{p} = \vec{a} + t \vec{b}\) の様子をみてみましょう。

\(\vec{a}\) を通って \(\vec{b}\) に平行な直線を描くことがイメージできますか?

ポイント

与えられた式を、こねくり回して自分が翻訳できる形にする!

大きさ、内積、角度

さて、ここまでベクトルの基本的な概念の説明と「日本語・ベクトル語翻訳」の話をしました。

もう一つ、ベクトルのテーマでは大きな概念があります。

サトゥー

内積ってやつですね。

成分計算では、次のように表記できますね。

$$\vec{a} \cdot \vec{b} = (x,y) \cdot (z,w) = xz + yw$$

この内積の概念を使って、次の画像のように話を整理しておきましょう。

こんな感じの図にまとめて、有機的に繋げて覚えておくとよいです。

図の各要素の説明をしていきます。

大きさと内積

まずは、大きさの処理について。

次のように2乗して絶対値記号を外すのがセオリーですね。この式変形が、図の大きさと内積をつなぐ線に対応します。

$$ |2 \vec{a} – 3 \vec{b}|^2 = 4|\vec{a}|^2 + 9|\vec{b}|^2 – 12 \vec{a} \cdot \vec{b}$$

角度と内積

内積からなす角を求めることもできますね。基本式を次のように変形してみましょう。

$$ cos{\theta} = \frac{\vec{a} \cdot \vec{b}}{|\vec{a}| |\vec{b}|}$$

面積と内積

2つのベクトルが張る三角形の面積についてみていきます。三角形の面積公式は重要な公式ですので、しっかり押さえておいてください。

このあと成分の話を軽くしますが、そこでの公式もまとめてここで紹介します。

サトゥー

他にも三角形の面積については、ヘロンの公式とか、内接円半径を利用した公式とか、基本的な sin 使ったやつとかあるから、しっかりおさえとくんだyo

成分の導入

大きさ、内積、面積については成分を導入して、座標平面の問題にすり替えることが可能です。

成分を導入すると、計算が大変になりますが、単純な計算問題になり、幾何学的考察が一切いらなくなります。

これも使えるようになっておけるといいですね。

はい、てな感じで、これでベクトルの基本事項は全部おさらいできたかな?

サトゥー

何かあればコメントやリクエスト待ってます〜!

ではでは。

5 COMMENTS

アバター 匿名

“A, B, C, Dが同一平面上”のベクトル語は二通りありますが、何か使い分ける基準は有りますか?

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サトゥー サトゥー

匿名さま

コメントありがとうございます。
「ベクトル語」(僕が作った言葉なので「」つけときますね)が2通りあるものの使い分けについては、問題や議論によって変わってくると思います。
上の「ベクトル語」の場合は、実数パラメータがs,tの2つしかない、始点が対象の平面上にあるという点が特徴として挙げられます。
一方で、下の「ベクトル語」の場合は、実数パラメータについての条件式が存在する、始点を任意の点に取れるという点が特徴として挙げることができます。

これらの特徴がメリットにはたらくかデメリットにはたらくかについては、状況によって変わってくると思っています。どちらも言っていることは全く同じなので、どちらを選択しても基本的に問題は解けるはずですが、場合によっては効率が大きく変わってきます。

「どちらを使えばいいのだろう??」と分からない場合は、どちらか自分が使う方を仮決めして使ってみて、もう片方を使うならどうなっただろうか?と検討してみることをお勧めします。

自分も初めは下の方だけ使っていたような気がします。だんだんわかってくるようになってから、場合によって上の「ベクトル語」も使い分けるようになっていくという感じで。

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アバター 匿名

自分で問題を解いて感覚を身に付けるしかないんですね。ありがとうございました。

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アバター 匿名

リクエスト応えていただきありがとうございます。分かりやすかったです。頭が整理された気がします。

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サトゥー サトゥー

匿名さま

お役に立ててよかったです!
また何かありましたらぜひ連絡くださいね。
今後もよろしくお願いいたします。

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