2020 東大理系数学 第2問

第2問の解説をやってみようと思います。

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サトゥー

エレガントな解法の類はやりません。あくまで、試験場で自分が解くとしたらどう考えるかな〜という観点で見ていますのでよろしくです

平面上の点 \(\mathrm{P}, \mathrm{Q}, \mathrm{R}\) が同一直線上にないとき、それらを 3 頂点とする三角形の面積を \(\triangle{\mathrm{PQR}}\) で表す。また、 \(\mathrm{P}, \mathrm{Q}, \mathrm{R}\) が同一直線上にあるときは、 \(\triangle{\mathrm{PQR}} = 0\) とする。 \(\mathrm{A}, \mathrm{B}, \mathrm{C}\) を平面上の 3 点とし、 \(\triangle{\mathrm{ABC}} = 1\) とする。この平面上の点 \(X\) が

\begin{align*}
2 \leq \triangle{\mathrm{ABX}} + \triangle{\mathrm{BCX}} + \triangle{\mathrm{CAX}} \leq 3
\end{align*}

を満たしながら動くとき、 \(\mathrm{X}\) の動きうる範囲の面積を求めよ。

東京大学 2020 理系

解いてみた感想

実際に図を書いてみて考察してみると、意外と単純な幾何の問題であることに気づくことができます。(僕はたぶん試験場で気づけないのでこういう問題は飛ばします)

対称性を活用して処理の量をなるべく減らす方針で。問題の設定がかなり抽象度高めなので、きっと対称性が活用できると考えるのが良い気がします。

解説

図のように \(X\) が属する領域を三角形の辺を使って 7 通りに場合分けして考えてみます。

あと、面倒なので

\begin{align*}
f(\mathrm{X}) = \triangle{\mathrm{ABX}} + \triangle{\mathrm{BCX}} + \triangle{\mathrm{CAX}}
\end{align*}

とします。

case1. \(X \in H_0\) の場合

X が三角形の周上および内部にある場合です

このとき、 \(f(\mathrm{X}) = \triangle{\mathrm{ABC}} = 1\) より条件を満たす \(\mathrm{X}\) は存在しません。

case2. \(X \in H_1\) の場合

図のように、辺 \(\mathrm{BC}\) に平行な補助線を引いてみます。そして、\(\mathrm{A}\) から辺 \(\mathrm{BC}\) へ下ろした垂線の長さを \(h_1\) 、 \(\mathrm{X}\) から辺 \(\mathrm{BC}\) へ下ろした垂線の長さをその \(s\) 倍とおいてみます。このようにして \(f(\mathrm{X})\) を計算すると、

\begin{align*}
f(\mathrm{X}) = \triangle{\mathrm{ABX}} + \triangle{\mathrm{BCX}} + \triangle{\mathrm{CAX}} = 2 \triangle{\mathrm{BCX}} – \triangle{\mathrm{ABC}} = 2s – 1
\end{align*}

となりますから、 \(2 \leq f(\mathrm{X}) \leq 3\) に当てはめて、

$$ 2 \leq 2s – 1 \leq 3 \Leftrightarrow \frac{3}{2} \leq s \leq 2 $$

よって \(\mathrm{X}\) の動きうる範囲は次のようになります。

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サトゥー

このように高さの比で突然考えるのは自分には無理だと感じる方もいるかもしれませんが、実際に \(\mathrm{X}\) の動く範囲を実験して検討をつけてから「多分対辺と平行な境界線になりそうだな」という願いを込めてこういう方針にしているのです。決して僕が天才だとかそういう話ではありません。

面積は相似比から計算できて、

$$ 1 \cdot \triangle{\mathrm{ABC}} – { \left(\frac{1}{2} \right) }^2 \triangle{\mathrm{ABC}} = \frac{3}{4} $$

となります。

case3. \(X \in H_2\) の場合

同じように、辺 \(\mathrm{BC}\) に平行な補助線を引いてみます。そして、\(\mathrm{X}\) から辺 \(\mathrm{BC}\) へ下ろした垂線の長さを \(t h_1\) とおいてみます。このようにして \(f(\mathrm{X})\) を計算すると、

\begin{align*}
f(\mathrm{X}) = \triangle{\mathrm{ABX}} + \triangle{\mathrm{BCX}} + \triangle{\mathrm{CAX}} = 2 \triangle{\mathrm{BCX}} + \triangle{\mathrm{ABC}} = 2t + 1
\end{align*}

となりますから、 \(2 \leq f(\mathrm{X}) \leq 3\) に当てはめて、

$$ 2 \leq 2t + 1 \leq 3 \Leftrightarrow \frac{1}{2} \leq t \leq 1 $$

よって \(\mathrm{X}\) の動きうる範囲は次のようになります。

面積は同じように相似比から計算できて、

$$ 2^2 \cdot \triangle{\mathrm{ABC}} – { \left(\frac{3}{2} \right) }^2 \triangle{\mathrm{ABC}} = \frac{7}{4} $$

となります。

case4. \(X \in H_3, H_5\) の場合

\(\mathrm{A}, \mathrm{B}, \mathrm{C}\) の対称性から、この場合は case1. \(X \in H_1\) の場合と同じ結論が得られます。

よって面積は \(\frac{3}{4}\)

case5. \(X \in H_4, H_6\) の場合

\(\mathrm{A}, \mathrm{B}, \mathrm{C}\) の対称性から、この場合は case2. \(X \in H_2\) の場合と同じ結論が得られます。

よって面積は \(\frac{7}{4}\)

以上から、求める面積は

$$ \frac{3}{4} \cdot 3 + \frac{7}{4} \cdot 3 = \frac{15}{2} $$

となります。

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